うつつの


窓辺に


おともなく


レースカーテンが


ふくらんで


います


うすあかりに


包まれたら


幾何学模様は


さらわれて


無地のしろい


波打ち際


わたしのゆめが


ちらりと


います


そよぐかぜに


泡がたち


はじけるたびに


まひるの微粒子が


降ってくる


やさしい瞼が


ぴくりと動いて


ひらいた


おはよう

































三月のいちじんの


つよい風がふいて


プリントがいちまい


あおいそらへ


そわそわ飛ばされます


十棟の五階のまんなからへん


色とりどりのベランダから


あかてんだったお姉ちゃんの


おこったこえ


まどをあけてしまった妹も


おこったこえ


りんごをかじりながら弟は


わらいごえ


三月のいちじんの


つよい風のあとに


みどりのなか


プリントがいちまい


のびのび舞っています


つくしと


たんぽぽと


くろねこが


それを通りから


はてはてみあげています



















大丈夫だということを


きみに伝えたかった


根拠はない


けれど


伝えたかった


あのときだった


きみが開いた


あのときに


なにもかも繋がっていくこと


ひとつ


ひとつ ひとつ


飛ばして 飛び越える翼など


僕は持ってはいないのだから


聴こうとしなかった


あの哀しみのつづき


寄り添うことの難しさ


自分を置いて


静かに


瞳を合わせ


その手を握ること


あのときはもう来ない


僕に出来ること


これから出来ることは


















失われゆくこのとき


忘れられゆくこのとき


秘めた想いも


伝えなければ意味はなく


無色 無臭の自身ならば


だれも感じることはない


僕は僕を好きになれない


あまりにも脆く 弱い


けれど君が好きだとおもう


長い間 いつのときも


君と交わすことは


何物にも代えがたい


怖れから声がでなくて


苦しみに覆われつづける


愚かに言葉を飛ばせば


簡単に傷つけてしまう


数え切れない過ち


もう戻れない


それでも


君だから話せたことが


たくさんあった


微笑みながら語り合う


夢のなかで雪が降る


めぐりあう 誰かと


君が幸せならば とおもう


おもうのに


忘れられないこのとき


細い月


花を抱えたまま


ひとりゆくこのみち



















ぼくのしらないところで


せかいはまわっているから






たくさんの いちりんの はな


たくさんの いっぴきの ねこ


とめどない あめの ひとつぶ






ぼくのしっている きみが


ひとり






ほしい


ほしがってばっかり






こぼれたそのはへんが


つむいだそのうたが


たとえぼくのことでなくても






こわれないおもいをかかえて


このゆびさきをからめたい














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